ここ(クラシック音楽雑誌・発行部数ランキング)にクラシック関連の様々な音楽雑誌が紹介され、発行部数が掲示されています。情報のソースは不明ですが、記事の公開は2020年2月(コロナ騒動の開始直前)です。この時のレコ芸の発行部数が10万部。部数は音楽の友(2位)、MOSTLY CLASSIC(4位)と同じで、ランキングは第3位です。この情報を信用すると、コロナ直前まではなんとかやっていたが、コロナで部数が激減。雑誌として存続することが出来なくなったことになります。
「レコ芸が何故休刊になったか」というインタビューで音楽の友社の役員が「最盛期の発行部数は10万部」といっています。最盛期というのは1990年代、インタネット登場前、CD全盛の時代だったと思います。とすると、2000年代に入り、インタネットとスマホの普及により、配信やストリーミングが当たり前となり、CDで音楽を聴かない人が増え、雑誌の発行部数が徐々に減少し、損益が悪化。そして、最後のとどめ、コロナの直撃で雑誌の売り上げが大幅に減少し、それが廃刊の引き金になったということでしょう。しかし、コロナによる経済環境の激変の2年間、全く対応がされていないのは何故か。
手持ちのコロナ発生後の2年分の雑誌を見直してみましたが、この間、編集方針の変更は行われていません。コロナで劇的に部数が減っていく中、「座して死を待ち、敗戦を迎えた」ということなのでしょうか。
先のインタビュー記事で「レコ芸の最近の発行部数は2万部に落ち込んだ」と紹介されています。「結構な部数を維持出来ていたのだなぁ」と思いました。
同じように最近廃刊となった週間朝日の発行部数も2万部でした。雑誌の値段、規模、広がりから見て、週間朝日が廃刊になったとのは当然だと思います。しかし、レコ芸は一桁高い値段なのだから、週間朝日と同じ数の読者がいるのなら、継続させる方法はあったはずです。
まあ、この件はまた改めて論じたいと思います。
前回のトゥーランドットの記事に書いたように、レコ芸が役に立ったのは情報の提供です。アルファーノ初版の演奏はインタネットに10年位前からアップされていたようですが、このオペラに強い興味があるわけではないので、気がつきませんでした。
レコード芸術6月号「View Points」の情報のおかげで、ベリオ補作を含めて聴き比べ出来て、改めてベリオの作曲家としての凄さを認識しました。
このようにレコ芸のクラシック音楽情報誌としての役割は大きかったと思います。
という次第で、レコ芸難民、インタネットの海の中で、どうやって情報を捜すか。
僕が、最近、愛用しているクラシック音楽情報に関するサイトをご紹介します。
イギリスのレコード雑誌の老舗、Gramophone のサイトです。興味深い情報がリアルタイムに提供されていますので、必読ですね。
ビックリしたのは雑誌の購読者数2015年で2万5千人程度であること。年間の購読料は125ポンドですからレコ芸並。それでも廃刊にならず、続いているわけだから、「レコ芸は何故廃刊なのだ」といいたくなりますね。
イギリスBBCのクラシック音楽情報サイトです。プロムスの広報に熱心なのには閉口しますが、それ以外の内容は素晴らしいです。画面トップ記事の「13 of the world’s best choirs」は The Sixteen や The Tallis Scholars も入っていて、ルネサンス、中世専門の合唱団もしっかり紹介されています。ちょっとイギリス偏重気味ではありますが、まあ仕方がないですね。雑誌の発行部数は3万7千部、年間の購読料が50ドルだそうです。
フランスのクラシック音楽専門雑誌。そのままでは手も足も出ないので(^^;;;、グーグル機能で自動翻訳させています。酷い訳だと思いますが、内容は推察できます。サイトに掲載される情報は興味深いものが多いです。雑誌の発行部数は2万5千部、値段は8ユーロ。
Musicalchairsという名前のイギリスのクラシック音楽関連のリクルート(求人情報)サイトです。20年以上の歴史があり、クラシック音楽関連ニュースに関する情報も提供していて、上記画面がその見出しページ。情報は頻繁に更新されます。興味のあるものを選んでみています。リクルート情報誌ですので、そちらでビジネスを成立させていますから、音楽情報の提供は本業の助けということでしょう。
Harmonia Mundi のサイトです。同社録音のCD紹介が中心です。僕には面白い情報が多いので、愛用しています。ディフォルトはフランス語ですが、画面右上で言語は選択できます。
欧米録音レーベルの会社のサイトについてはこちらのリンクが強力ですので、お勧めします。リンク切れも多いですが、数が凄いです。
「ぶらあぼ」は日本の音楽(演奏会)情報誌のサイトです。雑誌は実質無料で配布されていて、インタネットで、全て読むことが出来ます。サイトでは雑誌の情報に加えて、ドメスティックな情報が中心ですが、演奏家、放送、国内の配信、ストリーム情報の情報などあります。日本語なのは助かります(^^;;;。
以上のサイトと、前々回、紹介したCD取り扱い会社のサイトを定期的に訪問すれば、レコ芸レベルの情報は十分まかなえます。
今回、海外のクラシック音楽雑誌のサイトを調べて意外だったのは発行部数です。どれも2万部から4万部の範囲内です。これで経営的には成り立っているようですから、「レコ芸は何故廃刊になったのだ !」という謎は残ります。
ここ(株式会社 HRKS)に、様々な雑誌の発行部数の数字があります。とても面白いのですが、コメントし始めると、きりがないので、別の記事にすることします。
このブログのサイド画面トップに「レコ芸難民救済のためのリンク集」作ってみますかね(^^;;;。